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一般 的な薬の飲み方・使い方について

症状がおさまったら、薬をやめてもいいでしょうか?
 病院で処方された薬を使っている場合、仮に症状が軽くなっても、勝手にやめてはいけません。薬の中には、急に服用を中止すると、リバウンド現象といって、反動からかえって症状が悪化し、危険なことを引き起こすものがあるからです。たとえば、高血圧の薬を飲んでいる人が、血圧が下がり、気分がよくなると、すぐにやめてしまうことがあります。すると、血圧が反動的に上昇し、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こしかねません。潰瘍(胃潰瘍、十二指腸潰瘍など)の薬でも、痛みがおさまったからとやめてしまうと、残った潰瘍部分から出血することがあります。
 抗生物質の場合には、薬によって細菌が弱ると、症状が軽くなるので治ったように思いがちです。ところが薬をやめると、残った細菌がふたたび増え始めることがあります。しかも細菌が、抗生物質に抵抗力をもつようになり、以前より治りにくくなることすらあるのです。
 医師は、患者の症状が一時的によくなっても、リバウンド現象を防ぐため、薬の量 を減らしたり、弱い薬に替えながら、段階的にやめる方法をとることがあります。自分勝手に薬をやめることは、こうした治療のさまたげとなり、自分の病気を自分で悪くすることにもなるのです。必ず医師・薬剤師の指示に従って、決められた服用期間を守ってください。
薬の使用期限はいつまで?
 薬ごとに使用期限には違いがあります。市販薬は箱などの容器や包装に有効期限や使用期限が記載されています。有効期限や使用期限は、製品を開封しないで指定された保存条件下においた場合に品質が保証される期限をあらわします。開封後の品質まで保証するものではありません。いったん開封しますと、購入した方の保存条件や使い方で品質への影響が大きく変化するため、開封後の期限まで一律に決めることができません。
 開封後は、期限内であっても外見上なんらかの変化が認められるときや、シロップや目薬などのカビや雑菌が繁殖しやすい薬については、症状がおさまった後の残りは使わないでください。箱は開封すると捨ててしまいがちですが、必ずとっておくようにしてください。
 問題は、病院でもらった処方薬です。病院でもらった薬にも、有効期限があります。しかし、薬は医師や歯科医、薬剤師が管理しているので、特別 な場合以外は患者さんには告げられないのが普通です。捨ててしまうのはもったいない気がするかもしれませんが、病院の処方薬は、市販薬のように長期の保存を考えてつくられてはいません。効き目が強い分、古くなって変質したときの副作用にも問題があります。あとで同じ病気にかかったときに使えるようにと考えて、とっておく人もあるでしょう。ところが同じ病気といっても、風邪一つでも症状が違うように、処方される薬も異なります。自己判断で、薬を使うのは、とても危険なことなのです。医者からもらう薬は数量 が決まっているので、正しく服用していれば余ることはありません。もし飲み忘れなどで余るようでしたら、捨てるようにしてください。
薬の上手な保管方法は?
 薬は、みんな同じように薬箱に入れておけばいいと思いがちですが、実際には種類によって保管方法が違います。熱や光に弱い坐剤や子供用のシロップ剤、それに開封した目薬などは、冷蔵庫に保管します。そのとき、食べ物と区別 できるようにしておきましょう。また冷所保存の薬でも、特別に指示のある場合を除いて、冷凍庫には入れないようにしてください。
 錠剤・カプセル剤・散剤などは、坐剤ほどではありませんが、やはり高温・多湿・直射日光は苦手です。したがって、湿気が少なく、温度が低く、日の当たらない所がよい保管場所ということができます。薬箱も、そうした場所を選んで置くようにします。
 保管場所で注意が必要なのは、常備薬などをマイカーに置いているケースです。夏の炎天下の車内は50〜80度もの高温になります。薬にとっては最悪な状態です。間違っても、車のなかに薬を置きっぱなしにはしないことです。
 また、乳幼児の手の届く所には薬を置かないようにしてください。幼児は、薬と食べ物の区別 がつかず、何でも口に入れる傾向があります。目を放した隙に誤って薬を飲んでしまうと命にかかわることもありとても危険です。 薬の効果を十分に発揮させ、かつ安全に使うためには、薬に適した保管をすることが大切です。

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